群馬県の温泉16 法師温泉長寿館
法師温泉長寿館は,JRが国鉄時代のフルムーンのコマーシャルで,人気に拍車がかかった超人気温泉宿です。
「本館」・「別館」・「法師乃湯」が国の登録有形文化財に指定されているということです。
超人気の宿のため,平日の日帰り入浴で出かけました。それでも受付開始時間には10人ほどの人が,入り口前をうろうろとしていました。
時間になりいよいよ入浴です。
今回の目的は,明治28年建築の「法師の湯」です。
湯小屋のつくりは,さすが文化財といった造りで情緒満点です。
浴槽は4つなのですが,湯枕で仕切られているため8つに分かれているように見えます。
そして,その所々から湯玉がボロローンとのぼってきます。つまり,底から温泉が湧き出しているのです。
泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉(石膏泉)。 さらっとしたお湯は足下湧出なので新鮮そのものです。
湧出が多いのは,左奥の浴槽の右奥,右奥の浴槽の左手前です。間欠泉のように間隔をおいて湯玉が底石の間からのぼってきていました。
湯温もちょうどよく,湯枕に頭を乗せて,足を伸ばすと
体が無重力状態のようになって,心地良すぎです。
温泉好きでよかったなと感じる瞬間です。
今回は日帰りでしたが,こんどは雪の舞う季節に宿泊するぞと心に誓って温泉をあとにしました。
(営)10:30~14:00 800円 ☆☆☆☆☆
(2006/9/11)
(再訪)2015.2.10~11
さて,今回の旅メインの法師温泉長寿館です。調整して2時30分に到着です。
3時からチェックインなのでお客が来る前にお風呂に入ろうという魂胆です。
長寿館には超有名な「法師乃湯」のほか「長寿乃湯」「玉城乃湯」の3つの浴室があります。
まず,本館(一番古い築140年)の16番という部屋に通されましたが,この部屋は東山魁夷が一週間とまって外の山をスケッチした部屋だそうです。驚きました。
「長寿乃湯」が3時から男性用になるのでまずそこに入りました。
五角形で5,6人入れる浴槽です。ここも意匠がすばらしい。そして足元湧出です。 湯口もあり,そこからもほどよい温度の源泉が注がれています。
もし「法師乃湯」がなければここだけでも十分満足と思ってしまう心地よさです。
さてお目当ての「法師乃湯」やっと再訪できました。うれしいです。
いつだったら貸し切りにできるか考えていました。その答えは食事時です。
予想的中です。
食事を早く済ませて風呂に行ったら掃除の人があわててました。写真撮るのも許可していただきました。ここから約45分位貸し切りです。50枚位写真を撮りまくってしまいました。
やはり「法師乃湯」。最高です。自分の中では横綱級です。
防水カメラなので,ボロローンと気泡が底から上がる様子も見事にカメラに納めることできました。
自分の定位置は4つある浴槽のうちの奥の右側の浴槽の手前左すみです。
ここからの湧出量が一番多いです。浴槽の温度も熱くなく冷たくなくで絶妙です。湧出源泉を体に感じながら入っているとうっとりしてしまいます。鹿児島の「湯川内温泉」を思い出します。体が覚えているのでしょう。
手前2つの浴槽は湧出もありますがお湯が注がれています。
泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉,単純温泉です。
次に「玉城乃湯」に入りました。
こちらは内湯の他,野天風呂があります。こちらはどうでもよいと思いましたが一応野天にも入りました。
源泉が岩肌を滝のように流れ落ちてきます。舞っている雪がライトに照らされて一瞬キラッとします。幻想的でした。
食事は期待していませんでしたが,びっくりです。超豪華でおいしいです。ビールはクラシックラガーなのがまたいいです。
別注で「鹿さし」を注文してみましたが,思いの外癖がありませんでした。
最後に短歌をふたつ。
草まくら手枕に似じ借らざらん
山乃いでゆの丸太のまくら
与謝野 晶子
山祈る太古の民の寂心
今日新にす 法師湯にして
川端 康成
今回の旅も大満足でした。法師温泉はもちろん,沢渡温泉まるほん旅館もすばらしかったです。
また出かけたいと思わせる温泉でした。